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石井ふく子 ものつくりの立場で

脚本家「橋田壽賀子」とTBSプロデュサー「石井ふく子」

2012年2月18日(土曜日)橋田文化財団は、東京・赤坂にあるTBS放送センターにおいて、人材育成における支援として、講演会を開催した。

橋田文化財団は、文化庁所管、特例民法法人として、平成4年8月18日に設立された。
その設立趣旨は、「放送文化に関する創作活動等を奨励するとともに新人の育成を行う。」というものである。
この橋田文化財団の理事長を務めるのが、岩崎壽賀子氏、岩崎氏のもう一つの名前はかの、脚本家「橋田壽賀子」である。

「橋田壽賀子」とくれば、もう一方、ご登場願わねばならない方がいる。
「石井ふく子」である。

石井ふく子氏は1926年生まれ、TBS屈指の名プロデュサーである。
テレビ局におけるプロデュサーとは、主に企画を立て、予算を決め、スタッフを集め、番組をフォロー・ケアーする。例えるなら番組の親といわれている。

一方、デレクターとの相違点はプロデュサーが番組の「親」であるなら、デレクターは番組につきっきりの「恋人」であると形容できるだろうか。

プロデュサー石井ふく子氏が生み出した数々の番組は、恐らくテレビの視聴者であれば、概ね周知されていると言っても過言ではない。

代表作には、「渡る世間に鬼ばかり」がある。
「渡る世間に鬼ばかり」はTBSが、1990年から2011年に渡り、20年間放送した通算500回を超える日本を代表する長寿ドラマである。 このドラマは主人公を主軸に5人の家族が織成す、いわゆるホームドラマであった。

この日、橋田賞受賞および、制作関係者等満場の中。 TBSの現職部長プロテュサー等、3人の講話に先立って、石井ふく子氏の挨拶が行われた。

石井氏は、快活で軽やかな足取りで、壇上に立ち、マイクを握った。
「普通のドラマが一番難しい」と石井氏は切り出した。
「今、ドラマが難しい時代になりました。」
「みんなドラマを見てくれなくなりました。」

一瞬の間をおいて、石井氏は穏やかな声のまま続けた。

「番組作りは、何をテーマにするか、何を描きたいかが大事です。」 と、全体に視線を投げかける。

「テーマのないドラマが多くなりました。」
「今、あるドラマはサスペンスものがほとんど・・。」

「でも本当は、家族、家庭の中に潜むサスペンスが一番、恐い。」
燐とした石井氏の言葉が場内に響いた。

何かを創るときは、「諦めないこと」どんな時も「まだ大丈夫」そんな風に思っているという。
そして、「いろいろな角度からものづくりの立場でテーマを見つけて欲しい。」 と結んだ。

人々の価値観が多様化し、本質が見えにくくなった時代。
テレビに出来ることは何があるのか?幸せな時間を提供できないものか?

相手の心に響かせるにはどうしたらいいのか、答えになっていない答えをみせてくれるのが感動。 時代を分析しつつも時代に媚びないものこそ、人を動かすと「ライフドラマ」を信じる各プロデュサーたち。

平和でいるためには、今日生きることに意味をもつほうがいい、大切なことは決して、廃れることはない。TBSの伝統を守り、TBSの古き、よきやり方、畳み文化を伝えたい、世の中に発信したい気持を身近なものをに向け、深く追求していきたい。

テレビの無限の可能性を信じている。
そう、感じられる明日への息吹に満ちた言葉であった。