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アレルギー食品除去調理実習

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2014年1月28日、特定非営利活動法人WEBREIGOにおけるアレルギー除去調理講座が区内私立中学において開催されました。

市販のチョコレートには量の多少はありますが、脱脂粉乳(牛乳)が含まれているため、本当に敏感な人はアレルギーを起こす可能性があります。

いなご豆のさやで出来たギャロップ粉を使用することによって、 チョコレートやココア風味が欲しいときには、チョコレート味の代用が可能です。

今回はこのいなご豆のさやで出来たギャロップ粉を使用してチョコレートボールを作りました。

食品成分表による栄養表記は下記の通りです。

アレルギー除去食品を食べてみて

食育アレルギーの対応は、下記の文部科学省における情報を当団体が要旨を抜粋し、 まとめたものを参考にしていただきながら、 実際に食べられない物を排除及び代用品で調理するということに視点を向けてみました。

生徒の反応は正直、複雑な表情でした。確かに本物のカカオマスもマイルドな甘さというわけではありませんが、 いつも食べているチョコレートと比較すると、大人の味だったようです。

食べたいものが好きなように食べられることに、まず感謝するという体験をしたというわけです。

家庭科の先生のお話によると、アレルギーでケーキの食べられない生徒がおり、 小麦粉を使用しないケーキを作ったところ、生徒は手を付けようとせず、 このケーキを自宅に持ち帰ってよいかと聞いたそうです。

自宅にはやはりアレルギーでケーキの食べられない弟がおり、 「一度でいいからケーキを食べさせてやりたい」というのだそうです。 生徒は、将来アレルギーで食べものが食べられない人のために安全でおいしい食べ物がつくれる研究をしたいと言っていたそうです。

学校給食での食物アレルギー対応の実際 (文部科学省)

学校給食での食物アレルギー対応は、レベルごとに、以下のように大別されます。

○ レベル1:詳細な献立表対応
学校給食の原材料を詳細に記入した献立表を家庭に事前に配布し、 それを基に保護者や担任などの指示もしくは児童生徒自身の判断で、 学校給食から原因食品を除外しながら食べる対策。
すべての対応の基本であり、レベル2以上でも詳細な献立表は提供すること。

○ レベル2:一部弁当対応

普段除去食や代替食対応をしている中で、除去が困難で、 どうしても対応が困難な料理において弁当を持参させる。

○ レベル3:除去食対応

申請のあった原因食品を除いて給食を提供する。

○ レベル4:代替食対応

申請のあった原因食品を学校給食から除き、除かれることによって失われる栄養価を、別の食品を用いて補って給食を提供する。
このうちレベル3・4がアレルギー食対応といわれ、学校給食における食物アレルギー対応の望ましい形といえる。
学校及び調理場の状況(人員や設備の充実度、作業ゾーンなど)は千差万別であり、 一律に対応を推進することはできない。

学校及び調理場の状況と食物アレルギーの児童生徒の実態

(重症度や除去品目数、人数など)を総合的に判断し、 現状で行うことのできる最良の対応を検討することが大切です。
一方で、保護者の求めるままに実状に合わない無理な対応を行うことは、 かえって事故を招く危険性をはらんでいます。
学校給食のアレルギー対応は、あくまでも医師の診断と指示に基づいて行うものであり、 保護者の希望に沿ってのみ行うものではありません。
家庭での対応以上の対応を学校給食で行う必要はないといえます。

アレルギー疾患の緊急時対応 (アナフィラキシーへの対応)

アレルギー反応により、じんましんなどの皮膚症状、腹痛や嘔吐などの消化器症状、 ゼーゼー、呼吸困難などの呼吸器症状が、複数同時にかつ急激に出現した状態をアナフィラキシーといいます。

児童生徒に起きるアナフィラキシーの原因のほとんどは食物です。
具体的な治療は重症度によって異なるが、意識の障害などがみられる重症の場合には、 まず適切な場所に足を頭より高く上げた体位で寝かせ、嘔吐に備え、顔を横向きにします。
そして、意識状態や呼吸、心拍の状態、皮膚色の状態を確認しながら必要に応じ一次救命措置を行い、 医療機関への搬送を急ぎます。

アドレナリン自己注射薬(商品名「エピペン」)を携行している場合には、 出来るだけ早期に注射することが効果的です。

児童生徒がアドレナリン自己注射薬(商品名「エピペン」)の処方を受けている場合には、 本注射薬に関する一般的知識や、処方を受けている児童生徒についての情報を、 教職員全員が共有しておく必要がです。これは、予期せぬ場面で起きたアナフィラキシーに対して、 教職員誰もが適切な対応をとるためには不可欠なことです。

まとめ

食品アレルギーは身近な問題です。
私立の中学には学校給食を実施していないところも多いようですが、 人と同じものを食べるときに起こり得るリスクの可能性を理解し、 食物アレルギーにおける給食対策が講じられていることも知っていただきたいと考えます。

お弁当などを持参するときも含めて、 何故、その献立を選んだのか、よく吟味し、食する意味をよく理解し、 自分が食べるものについて自身が管理できることが望まれます。

食物アレルギーで食べられない食品もある人をよく理解し、 どうしたら快適な食生活の実現が可能か、一緒に考えてみてほしいと思います。

TPO