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〜脚本家による食育啓発教材開発授業〜

英語教育に力を入れている昨今ですが、日本語をわかりやすく正確に伝える、またよりよく表現する という国語能力の向上も社会生活を営む上で、なくてはならない教育です。
情報の伝え方はさまざまなスタイルがあり、映像もその1つとなります。

映像を制作するためには、脚本という設計図が必要になります。 映像の基礎、設計図である脚本から創作してみることとしました。

今回は「食育の啓発教材」を創るためにプロの脚本家をお招きして、どのような映像が制作可能か、 日常生活からどのようなドラマが成り立つのか、考察していきます。

テーマは食育。モチーフはお弁当

お弁当をめぐる日常ドラマ、その中にかならず生徒が今までに学んできました、 食育情報を織り交ぜた作品を作らなければなりません。 講師に石原 武龍氏をお招きしました。

石原武龍氏は、武蔵工業大学、機械科と理系の学部を卒業されていますが、 就職活動の時期が丁度オイルショックにあたり、なかなか就職が決まりませんでした。

こうなれば、むしろ好きなことをしてやろう、と思ったのが脚本家になるきっかけだったそうです。

石原氏が、当時なりたいものは映画監督でした。映画監督になるための勉強として シナリオ学校にいきつつ、TBSの番組企画の公募に応募したところ、 そのままデビューにつながったという才能ある人です。藤田まこと氏主演の「はぐれ刑事シリーズ」など、 数多くの作品を制作されていますが、直近の作品では、木曜ミステリー「刑事110キロ」等があります。

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まずは、生徒が脚本を書けるようにしなければならないため、講座は駆け足で進みました。 参加生徒は30名。

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クライマックスの描き方

ドラマはすべての答えを出す必要はありません。 たとえば、お弁当を作る是非を問うドラマの場合、お弁当を作る方が良いのか悪いのかという、脚本家としての答えを出す必要は必ずしもありません。ただし、答に向けて一歩進んだなと解るようにする必要があります。 ドラマにはクライマックスが必要です。

例えば母親と子供がお弁当のメニューで喧嘩になり、 どちらの言い分も一理あって結論が見えなくなって、対立が深まります。

それはまるで風船が膨らみきったような緊迫状態になります。

そのとき、そこに何かひとつ意外なものを放り込んであげます。 針を刺してあげるとか、地震が起きるとか、例えば電話が鳴るとか予想外のことが起きたとき、 次の瞬間、登場人物はどのような動きをするのでしょうか。

きっと、新たな視界が開けます。そこで新しい考えが生まれ、 クライマックスの表現が出来ますと、石原氏はアドバイスをされていました。

ドラマ表現

日常生活を朝起きて寝るまで描く必要はありません。

一日の中でどこを切り取るとよいか、ある事件のどこを切り取って描けば、よりドラマチックか、 より効果的かを考えて、シナリオにします。

キャラクター

登場人物はそのドラマに登場する資格のある人のみが登場します。 登場人物表をつくり、 必ず他の誰かとの愛憎や損得のある人に出演の資格があるということです。

登場するキャラクターは、誰かをイメージしたほうが作りやすいです。 これをイメージキャラクターといいます。

尺は、400字詰め原稿用紙1枚を1分と換算し、おおよそ60ページで1時間ものと考えます。

ドラマのパターン

ドラマには36通りのパターンがあるといわれています。
37番目のパターンができるとノーベル賞ものと比喩されるほど。 すべてのドラマはこのパターンのどれかにはまるといわれています。

講座は複数回実施します。

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