NPO WEBREIGO【Non Profit Organization Web Response Information Government】

外務省、ODA講座開催報告書
企画・コーデネィト 特定非営利活動法人WEBREIGO

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来る2014年10月18日(土曜日)午前11時30分から12時30分の1時間、 区内私立中学〈東京都豊島区〉アリーナにおいて、外務省、国際協力局・国際保健政策室による「食と栄養を通して世界をみる」講座が、同校の中学生300人を対象に開設されました。

<講演の概要>
1、 外務省、国際協力室、国際保健政策室とはどんなところ?
2、 ODAってなんだろう?
3、 ODAはなんのために?
4、 「食と栄養」についていま世界で何が起こっているの?
5、 世界の栄養改善のために日本が行っていること
6、 まとめ

外務省の仕事

外務省ウェブサイト http://www.mofa.go.jp/mofaj/

OOAってなんだろう

○政府開発援助のこと=政府による他国に対する協力

世界で、1日100円で生活をしている人は10億人おり、世界で学校に通えない子供は7000万人もいます。日本が昨年度、援助を行った国は、世界195ヶ国〈2014年現在〉中、実に143か国に上ります。

〈参照、ODA実績 )
外務省、ODA実績

ODAは何のために

目的1


発展途上国の発展のために
○貧しい人を少なくする
○経済をよくして、自分たちの力でお金を稼げるようにする
○自然災害で被害を受けた人を助ける

目的2

日本のため
○日本の製品が途上国で売れるようになる
○世界からテロや紛争をなくして、日本がもっと安全になるよう
○外国を味方につける、評判を上げる

食と栄養についていま世界で何が起こっているか

日本の食料自給率は40%で、60%を海外からの輸入に頼っています。 このため、食料価格の急変や他国の食料需要増等による価格高騰および異常気象などで輸入できなくなったときに危険なのです。

世界の総人口は2014年現在72億人ですが、世界の栄養不足人口は、約8億人です。 世界で栄養不足の人が8億人近くいる一方で、世界の体重過多〈肥満人口〉は約21億人もいるのです。

世界の人口の9人に1人が生きていくために必要なカロリー、栄養素を継続的に補給できない、栄養不足であるにもかかわらず、世界の人口の3人に1人が体重過多という現象が起きています。 5歳以下で死亡する子供の半数が栄養不足です。
〈毎年、300万人以上の子供が栄養不足で死亡。1時間に350人、12秒に1人死亡。〉

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栄養不足の人口は98%が途上国に住んでいます。

栄養改善における世界の取り組み

こうした栄養改善における世界の取組として、ミレニアム開発目標〈MDGs〉が採択されています。
ミレニアム開発目標とは、2000年9月に採択された「国連ミレニアム宣言」と主な国際会議などで採択された国際開発目標を統合して一つの共通の枠組みとし、2001年にまとめられたものであり、8つの目標があり、目標1において、極度の貧困と餓鬼の撲滅をかかげています。

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〈参照リンク)
外務省、ミレニアム開発目標〈MDGs)

こうした取り組みの成果として、世界の栄養不足の人口割合は減りましたが、絶対数は依然として変わりがありません。

現在、世界に蔓延しているエボラ熱

これまでに感染者8000人以上、4000人が死亡したエボラ熱にも栄養不足問題があります。

○農業従事者が感染〈食べ物が作れない〉
○市場の閉鎖〈食べ物が売れない・買えない〉
○交通規制〈食べ物が他の町から届けられない〉
といった、悪循環になっています。

世界の栄養改善のために日本が行っていること

○ ODAによって、途上国で、栄養士や保健師の教育
○ 途上国の母親、女性を中心に栄養改善の指導
○ 農作物の栽培支援
○ 学校給食の支援
○ 民間企業との連携

まとめ

ODAとは、政府が途上国を救うために、また、日本のために、他国にお金を貸したり、あげたり、技術を教えてあげたりするものです。
日本は、ODAを通じて、世界の栄養状況の改善に貢献しています。

コーデネーターより

学校の授業や教科書等の中で、ODAについては学んでいたかもしれませんが、外務省についての知識や関心はあまりなかった生徒たちでも、国の政策を国の機関の方によって、直接、出向いていただき、生徒と対話していただくことによって、身近な問題として捉えることができ、印象的かつ貴重な体験になったと思います。

また、飢えて亡くなる人がいる中で、一方で、飽食の時代とも言われ、肥満による成人病等で健康を害する人もいるという片寄を是正するアイデアと活躍を未来ある生徒たちに期待したいと思います。
なぜ、今、ODAなのか、「情けは人のためにならず」、改めてODAの目的に触れることができたのではないでしょうか。

TPO